黒紅花
貴方の傍に居たい。

貴方に全てを捧げたい。

貴方と、ひとつになりたい。

「チトセ
 
 何か、言って」

ひとつになりたいよ・・・

「うん」

頷いてしまった私の唇に
貴方の唇が触れる。

触れ合う唇を感じながら
閉じた瞳の中

ここは、深い海?

私の胸の、ずっとずうっと

深い、その場所に刻まれた

傷が今、震える・・・

『私の赤ちゃん
 
 もう、いない』
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