黒紅花
「本当にありがとう
 ございました
 学校にも間に合って
 よかったです」

私は軽くお辞儀をした。

「これからはいつでも
 送ってやるよ
 って言っても、こいつ
 調子が悪くて、今度
 整備に出すから
 当分は乗れないけど
 直ったら、お前を
 すぐに乗せてやる」

貴方は、両手で
金髪を掻き揚げる。

『直ったら
 すぐに乗せてやる』

思い掛けない
貴方の言葉。

「いえ、バイクは
 もういいです
 すごく、怖いから」

「怖いの?
 そんなにスッキリした
 顔してるのに・・・
 まっ、何度か乗れば
 時期に慣れるさ
 無理強いはしないけど
 ・・・
 あっ、そうだ
 チトセ
 忘れる前に携帯の番号
 教えて?」

「えっ、どうして・・・
 ですか?」

驚く私に

貴方は、もっと

驚く言葉を告げた。
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