黒紅花
「なぎ・・・」

この世に命をもたせてくれた人
に、裏切られた子供達の中には
どんなにその人の行いが悪くと
も、自分がいい子じゃないから
自分が悪い子だったから

と、そう、自分を責め続け
生きる者がいる。

そんな、自分の事を愛して
くれる人達、全ての愛が貪欲に
欲しくもなる。

そして、今度は嫌われないよう
に、裏切られないように
その人に惜しみのない精一杯
の愛を捧げる。

その行為は、時に非常に
疎ましく感じられ、愛している
と言ったはずの人は自分の元を
去って行く。

「母と同じように・・・

 でも、でもね
 やっとそうじゃない人に
 私、めぐり合えたの

 それが、養父のユウさん
 だっただけ・・・

 彼は、本当の私を知って
 全てを包み、愛してくれる」
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