黒紅花
「な、に・・・」

なぎの声が詰まったのは
停められているバイクが
ひさぎのバイクだったから・・


ねえ

何してるの?


開かれるドア

貴方は大きな鞄、荷物を
持ち現れた。

「何、これ
 どういうこと?」

「ごめん、なぎ

 私、帰るね」

私は、振り返らずに来た道を
駆ける。

バイクの傍、待っていたのは
ひさぎの元カノ。

必要とされなかった、私。
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