黒紅花
でもきっと、違わないと思う。

「ひさぎ、お願いだよ・・・」

もう、貴方から逃げたりしない

ちゃんと過去の傷と向き合うよ

「だから
 
 どうか私を捨てないで」

『ママ
 
 僕達を捨てるの?』

『チトセ
 僕を、捨てないで・・・』

私を抱きしめながら、ひさぎは
私の耳元で、とても悲しい声
で言うの。

「俺は何て酷い事を
 おまえに・・・

 俺はバカで、ガキで
 どうしようもない

 愛してる女に俺と同じ
 想いをさせて・・・

 俺は、いつまで囚われる」

愛してる女・・・

『捨てないで』

同じ想い・・・
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