黒紅花
「聞きたくないよ
 
 ひさぎの口から、そんな言葉・・・

 ねえ、ナギは貴方の妹でしょう?」

「・・・・・・」

「ひさぎ、貴方の辛い気持ち
 私にはわかるよ

 だけど、ナギのことを悪く言っても
 虚しいだけでしょう

 もう、言わないで」

黙り込むひさぎに、私は聞かなきゃ
いけないことがある。

それこそ、本題、聞きたくない言葉。

でも、私は聞かなきゃいけない。

「ひさぎ、どうして
 私に連絡してくれなかったの?

 どうして、彼女だったの?」

これから始まる二人の未来の為に
わだかまりは持ってちゃいけない。

お水を飲んだひさぎは、重い口を開く。
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