黒紅花
「ナギとアイツの親密な関係を目撃した
 俺は、もうあの家には一秒だって居た
 くなくて何も持たずに家を出てバイク
 を飛ばして街に出た

 だけど、俺には行く宛なんてどこにも
 なくて、お前と行ったゲーセンで
 時間を持て余すしかなかった」

「あそこ?」

「ああ、そうだ

 お前に電話しようとしてできなかった
 のは、家の人を心配させちゃいけないだ
 ろう
 
 それに俺の頭の中もぐちゃぐちゃで一人
 で考えて落ち着いた方がいいと思った

 だけど考えれば考えるほど虫唾が走って
 落ち着けるわけがない・・・
 
 その時、そこに偶然、リホが・・・
 
 彼女が現れたんだ」

『リホって・・・』

『呼ばない』

嘘つき・・・

「それで彼女と・・・」

『心配するな
 
 会わねえよ』

会って、そして・・・
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