黒紅花
「無理なんてしてねえって、バイクは
 いつか俺が働いて得た金で買う」

真剣な、ひさぎの瞳・・・

きっと、このバイクをひさぎに買い与えて
くれたのはナギの恋人でひさぎのおじさん
なのだろう。

「話、戻るけどいい?

 未成年が一人でホテルに泊まれるの?」

「大丈夫だろう、この格好じゃ年なんて
 わからない
  
 金さえ払えば泊めてくれるさ」

その時、グゥーと鳴り出す私のお腹の音。

真剣な話をしてたのに、ほんと恥ずかしい

「ごめん・・・」

「何で、謝る?お腹、空いたな」

「うん」

「何か、食いに行こう・・・あっ、でも
 おまえはもう帰った方がいいな
 
 家の人に連絡してないけど、大丈夫か?
 今からでも電話して安心させてやれよ」
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