黒紅花
ひさぎが、私を見て笑う。

その笑顔がとっても眩しくて私の胸は
こんなにも高鳴り、こんなにも貴方に
恋焦がれる。

幸せな気分。

私も、ひさぎの笑顔につられて微笑む。

「なあ、チトセ
 
 おまえが嫌じゃないなら
 そっちで寝てもいい?」

「・・うん、いいけど
 お布団、ぐちゃぐちゃだよ」

布団に染み込んだであろう

大量の涙と・・・・・・

ずるっ(鼻をすする音)

「じゃあ、こっちにおいで」

「うん」

ひさぎが私の為に開けてくれた
スペース、その温かいお布団の中に
私は忍び込んだ。

私を背中から抱きしめる貴方は言うの

「おまえって、小さいな」

貴方の腕の中、眠りについた私は
朝を迎える。
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