黒紅花
私は、頭を左右に振った。

「ううん、おばあちゃんに約束
 しちゃったもの、行くね

 行きたくないけど・・・」

学校なんか行きたくないよ。

どこにも行きたくない。

ひさぎの傍に居たいよ。

だけど・・・居られない。

悲しい瞳で貴方を見つめる私。

そんな私の頭を優しく撫でて
くれながら、ひさぎは私の顔を
覗き込んで言うの。

「チトセ、何暗くなってんの?
 永遠の別れじゃないだろう」

「うん、そうだね

 ひさぎは、今日はこれから
 どうするの?」

「俺?そうだな、とりあえずは
 今のバイト続けながら
 もっと割のいい仕事をさっさ
 と探さなきゃな
 
 ホテル暮らしは金がかかるし
 できれば住まいも見つけたい

 それに、こいつも早く処分
 しなきゃな」
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