黒紅花
愛する貴方に、私はまだ
話していないことがあるの。

言えないことがあるの・・・

それは、永遠に言えない。

嘘ついて、ごめんね。

「ほらっ、そろそろ行けよ
 
 また連絡する」

「うん、じゃあね、ひさぎ」

貴方の腕から離れた私は別れる
決心を胸に秘め、学校へと歩む

貴方の手が私の腕を掴んで
引き寄せたと思ったら、貴方は
私の手首に屈んで口づけた。

「ひさぎ?」

そして、きつく吸う。

貴方は、私に

刻み込む。

「お前は俺のもの」

そう貴方は、あの日と同じよう
に私の手首に赤い痣を付けた。

赤い痣

紅い花・・・

青紫色に変化して

いつか、黒紅色の花になる。

「俺はお前を放さない」
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