黒紅花
「そうよ

 今まで、傷ついた貴女のこと
 を放っておいて、ほんと酷い
 母親だったけど、これからは
 違う・・・

 貴女のことはママが守る」

『最初からやり直す』

ひさぎに出会う前からもう一度

『ママが守る・・・』

私には守ってくれる人が居る

だけど、ひさぎには誰もいない

千歳・・・

本当にこれでいいの?

祖母が私に問いかけてくれた
ように、私ももう一度自分に
問いかけた。

「戻れるなら、戻りたい」

ひさぎに出会う前の私に・・・

そうすれば、貴方を傷つけ
なくて済むのに。

苦しい・・・

このまま何も言わずいなくなる
私をどうか許してください。
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