黒紅花
えっ!貴方は突然、何を言い出すの!?

どうして、私の胸の内が貴方に知られてしまったんだろう。

そう、私が最後に聞きたかった言葉を貴方が言ってくれた。

『愛してる』

この胸が詰まって、私は何も言えない。

「……」

私はもう、思い残すことはない。

「それで、お前は?」

電話越し、私の返事を待っている貴方に
最後にこの言葉を伝えること許して下さい。

「愛してるよ……(でも)

 バイバイ、お元気で」

「ああ、またな」

切れた通話……

この愛に勝手に終止符を打った私のこと

どうか許してください。

「ごめん……」

携帯の画面に零れ落ちた涙の雫。

私は携帯電話の電源をオフにした。


さよなら、ひさぎ。


貴方の心が休まる場所……

身も心も愛し愛される相手に、貴方が
一日も早く出会えますように。

私は心から祈ってる。

それは、この身が千切れるほどに
ものすごく辛いことだけど、私は
祈り続けるよ。
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