黒紅花
『貴方に触れたいけど
触れられない
私、怖いの
こわい……』
『や、めて……
イヤ』
『チトセ
俺の傷、見ただろう?
だったら、今度は
お前の傷、見せてよ?』
怯えるあの日の君に、僕は何をしてあげられただろう?
自分の傷しか見ていなかったあの日の僕は、君にとって残酷だったに違いない。
「くそっ!」
千歳に何かあるとは思っていたが、俺は自分の事だけで精一杯で……。
『彼は愛を温もりを求めてる』
俺は、なんて不甲斐ない男なんだろう。
愛する人に、それ以上もっと深い傷をこの俺がつけてしまった。
「ヒサ兄、悩んで落ち込んでる暇が
あったら、これからどうすべきが
よーく考えな
まさか、チトセのこと(事情)知って
見放す気じゃないでしょうね」
「誰が見放すかよ!
バカなこと言ってんなよ」
なぎの事を睨み付けるひさぎの赤い目はとても強く、正気を取り戻す。
触れられない
私、怖いの
こわい……』
『や、めて……
イヤ』
『チトセ
俺の傷、見ただろう?
だったら、今度は
お前の傷、見せてよ?』
怯えるあの日の君に、僕は何をしてあげられただろう?
自分の傷しか見ていなかったあの日の僕は、君にとって残酷だったに違いない。
「くそっ!」
千歳に何かあるとは思っていたが、俺は自分の事だけで精一杯で……。
『彼は愛を温もりを求めてる』
俺は、なんて不甲斐ない男なんだろう。
愛する人に、それ以上もっと深い傷をこの俺がつけてしまった。
「ヒサ兄、悩んで落ち込んでる暇が
あったら、これからどうすべきが
よーく考えな
まさか、チトセのこと(事情)知って
見放す気じゃないでしょうね」
「誰が見放すかよ!
バカなこと言ってんなよ」
なぎの事を睨み付けるひさぎの赤い目はとても強く、正気を取り戻す。