黒紅花
「だけど

 だけどね

 そうさせたのは私だってこと
 気づいたんだ

 貴方を受け止めてあげられない私が
 一番悪い、一番ひどい人間だって

 ……」

私の中にずっと在り続ける想いを、私はつい口にしてしまう。

「愛を望む貴方に
 私は愛を与えてあげられない
 
 温もりを……

 私は貴方とは抱き合えない
 
 結ばれない、永遠に

 ……

 ごめんね」


愛に脅える、わたし

愛を求める、あなた

そんな二人は、ひとつ(一緒)にはなれない!


現実は、苦しい……


「そんなもん

 要らない

 二度と結ばれなくていい

 ……

 お前さえ在れば」


『ママ
 
 僕達を捨てるの?』
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