黒紅花
そんな私に次いで祖母も席を立つ。
「あらそう
じゃあ、一緒にお願いするわ」
陽射しの下、祖母と二人で庭のお掃除をする。
中腰になって時間も忘れて、土いじり。
ふと見上げた空には飛行機雲……
「おばあちゃん、飛行機雲だよ」
「何言ってるの、あれは電線よ」
眩い光、目を凝らしてよくみてみると、それは電線……
「ほんとだ」
「アハハ、チトセったらよく見なさいよ」
笑い合う私達の傍らに立つ家。
今日も私達を温かく見守り続けてくれる。
今はもうこの家を巣立った身ではありますが、これからもどうぞよろしくね。
この場所に逃げて来たからこそ、ひさぎに出会え、そして今が在る。
今が----
ひさぎと再会したあの日から数か月。
季節はもうすっかり様変わりしてしまい、そろそろ冬支度をしなくては……
「あらそう
じゃあ、一緒にお願いするわ」
陽射しの下、祖母と二人で庭のお掃除をする。
中腰になって時間も忘れて、土いじり。
ふと見上げた空には飛行機雲……
「おばあちゃん、飛行機雲だよ」
「何言ってるの、あれは電線よ」
眩い光、目を凝らしてよくみてみると、それは電線……
「ほんとだ」
「アハハ、チトセったらよく見なさいよ」
笑い合う私達の傍らに立つ家。
今日も私達を温かく見守り続けてくれる。
今はもうこの家を巣立った身ではありますが、これからもどうぞよろしくね。
この場所に逃げて来たからこそ、ひさぎに出会え、そして今が在る。
今が----
ひさぎと再会したあの日から数か月。
季節はもうすっかり様変わりしてしまい、そろそろ冬支度をしなくては……