黒紅花
ひさぎの前で、もう泣き顔は
見せたくない。

彼が心配してしまう・・・

ひさぎとの素敵な時間を
私の涙が壊してしまう。

チトセ、違う事を考えよう。

「チトセ、どうかしたのか?
 さっきから黙って・・・
 
 泣いてるのか?」

「つい、嬉しくて・・・」

そう、嬉しいから
涙が出るの。

私は、指先で涙を拭き
ぬいぐるみを抱きしめた。

「じゃあ、今度は
 男?取ってやるよ」

「彼氏でしょう?」
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