堕天使の銃声
そんなことを思いながらも、妙子にまた尋ねた。
「そう言えばあの先生、名前なんていうの?」
「あの先生はね、新任の先生なの。
名前は… 確か、葛城 圭吾って言ってたかしら?」
『…葛城 圭吾か…
こいつも野田や坂本と関係があるのか…調べてみる必要性はあるわね。』
やっぱり頭から離れない、任務のこと。
もしかしたら、この世界に入ってから、頭から任務の事が離れたことはないかもしれない。
そう思いつつも、次の授業の支度にかかる。
が、そんなときに、突然放送が入った。
「3年A組、鳥居 朱鳥。
至急、保健室へ来るように。」
用件などの事はまったく言っていないが、保健室に呼び出し、ということは、坂本が呼んでいるんだろう。
「…嫌な予感がする。」
小さな胸騒ぎを覚えながらも、私は重い腰を上げて、保健室へ向かった。
「ククッ…
早く来い、憐…」
悪魔が待ち構えているとも知らずに。