堕天使の銃声
第三章
「失礼します…」
ゆっくりと扉を開き、保健室へ入ると、そこには野田、葛城、坂本の三人がいた。
「やっと来たか、鳥居…
いや、高崎 憐…だったか?」
葛城がそんな私の方を見ながら、そういう。
『どうやって知ったかは知らないけど、バレたみたいね…』
だが、そう簡単に認めたりするほど、私も馬鹿じゃない。
「高崎…? 誰ですか、それ?
私は鳥居 朱鳥です。 さっき会いましたよね、葛城先生?」
「もう調べはついてんだ。
諦めて白状しな、高崎。」
野田が私を睨みながらそう言う。
でも、坂本は何も言わない。 何もしない。
「だから知りませんって! どうして二人で疑うんですか?
坂本先生も、どうにか言ってくださいよ!」
少し声を荒げて、二人に抗議する。
坂本にも助けを求め、私の言っていることの正当性を出してみようか、などと試みる。
が、
「…諦めろ。」
そう言った坂本は、一度席を立ち、私に背を向けた。