堕天使の銃声
「さあ、行こうか。」
準備を整えた私は、そう独り言を呟くと、本部を出た。
服装はもちろん、城南高校の制服。
私がもし、“普通の女”だったら、着ていたはずの服。
でもそれに、感じることは特にない。
『着てみたかったんだよね、制服。』
とか、
『普通の女に生まれていれば、毎日着れたのに…』
とか。
あるとすれば、
「こんな動きにくい服、さっさと脱ぎたいわ。」
ぐらい。
でも、この任務が、憐の人生を狂わせるとは、彼女は知らない。
これから行く城南高校が、彼女のすべてをおかしくしてしまうとは、誰も知らない。
だが、その運命は、偶然などではなく
必然だったのは事実だ。