今夜もアナタと。
それはほんの一秒だった。



「あ…あ…」




また口がうまく動かない…よ…




「んじゃあ、俺寝るから、あんまり夜更かししてんじゃねーぞ」




そういうと踵を返して出ていこうとする…。




ちょ…ちょっと待って…!!




「ちょちょちょっと待って…」




奇跡的に動いた口で小さく呟いた…。

セイは首だけ振り向いて、なに?と聞いてきた。




「ななんで…キ…スしたの…?」




いや…うれしいんだけど…なんで?いいの?そんなことして?




「挨拶?みたいな?いいからユアもう寝ろって」




挨拶か…。

なんか変な期待をしてしまったのかな?ワタシのバカバカ!

というかなんで名前知ってんのよ〜!

………うれしいんだけどねッ。


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