DEAREST...
12月24日。

終業式が終わり、
結局4人で集まることもないまま
あたしは1人、れいちゃんを見送りに行った。

れいちゃんはずっと泣いていた。


その後何の予定もないあたしは
れいちゃんの涙を胸にバイトへ向かった。


その日
佑くんはお休みで

彼女がいるのか何も知らないけれど

「彼女とデートかな?」と

あたしは勝手に思っていた。

クリスマスイブだったから。


何だか寂しい思いで
また頼まれた試食販売をしていると


「1つ下さい」と


聞き覚えのある声があたしの動きを止めた。


そう……

あの日

あたしの勤務カードを拾い

人が行き交う街中で
あたしを見つけてくれた

ずっと頭から離れなかったスーツ姿の男性。

あたしに光を見せてくれた人。
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