DEAREST...

未来のない恋

あたしは近くのｶﾌｪへ佑くんと入った。


椅子に座ると同時に


「あの人、理都ちゃんの彼氏……？」


真剣な顔で佑くんが言った。


「……そうだよ？」



左手薬指の指輪。

佑くんの複雑な表情。

あたしを待ち伏せ、
佑くんがやっと口にしたこの問い。

絶対に何かがあると、あたしはすぐにわかった。


心の奥底で覚悟を決め、あたしは佑くんにこう言った。


「佑くんどうしてそんなこと聞くの？」



「あの人、俺の家の近所に住んでるんだ…」


あたしは佑くんが何を言いたいのかがわかった。


だからあたしは
「彼、結婚してるんでしょ？」と言った。


佑くんは悲しい顔をして

「理都ちゃん、あの人が結婚してるってこと知ってたの…？」


「彼からは何も聞いてないけど指輪してるからすぐわかったよ…」


「ねぇ…理都ちゃん？
理都ちゃん幸せ…？」


佑くんのその言葉は
あたしのどうにもならない思いを抱いた心に突き刺さった。


「あたしは幸せだよ！
あたしが幸せかどうかなんて
佑くんには関係ないじゃない！！」


「ごめん理都ちゃん。
俺、理都ちゃんに何を言いたかったのかな。
ごめん。嫌な気持ちにさせちゃったな…」


「ごめんね佑くん。酷い言い方しちゃってごめんなさい。
でもあたし…
あたしは幸せだから。」


あたしはそう言ってその場を去った。