DEAREST...

待ち合わせ場所に着き、
すぐに彼が車で来た。


ためらっていたって
ただ時間だけが過ぎていく。
だからあたしは車の助手席に乗ってすぐ、
別れ話を切り出した。


案の定、
彼はあたしを鋭い目で見つめこう言った。


「終わりは俺が告げる。君に決める権利はないから」


それでもあたしは引き下がらなかった。

すると彼は車を停め、

見たことのない顔と
聞いたことのない言葉攻めで
彼は必死に抵抗するあたしに襲いかかってきた。


あたしは恐怖とｼｮｯｸさで全身の震えが止まらず
それでも力を振り絞り車から降りた。

もう彼も追っては来なかった。


あたしは痛みに耐えながら
気が付けばﾊﾞｲﾄ先のﾃﾞﾊﾟｰﾄに来ていた。


ﾃﾞﾊﾟｰﾄの近くのﾍﾞﾝﾁに座り、あたしは泣いた。

声をあげて泣いた。


このﾍﾞﾝﾁに座って
何分経っただろう。

１台のﾊﾞｲｸが
ﾍﾞﾝﾁに座るあたしの横でﾊﾞｲｸ音が止まった。



「理都ちゃん！！」



佑くんだった……。



佑くんはあたしに
どうしたの？すら聞かずに
赤く腫れ上がったあたしの頬も腕も足も
涙でいっぱいになったｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬの顔も
全てを包み込むように抱きしめてくれた。

ただ
「大丈夫だよ…」と
佑くんは優しい声で言ってくれた。