DEAREST...
午後3時。
あたしは1時間の休憩を終えて
残り3時間のバイト。


ついさっきの
休憩前のあたしとは何だか違う。
何か落ち着かない。

転んで擦りむいた足の痛みも
勤務カードをなくした時のハラハラさも
全て消え去っていた。


ただ心にあるのは
勤務カードを拾ってくれた彼のこと。
勤務カードにある自分の写真の恥ずかしさも
吹っ飛んでいた。

パニくって顔はハッキリ覚えていないけれど
何だか気になる…。
それにちゃんと顔を見ながらお礼言ってない。


何か物凄く失礼なことしちゃった…


名前も知らない彼のことが気になって気になって


“あたし…いつこの商品売り終えたの…?”


残りの3時間どうやって仕事をしたのか覚えてない。
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