魅惑★ladyの作り方
「おじさーん。
俺達は帝の味方だぜ?
帝はああ見えて、漫画みたいな恋に憧れてる純情な奴なんだから。」
海は手をヒラヒラと振りながらコーヒーを口に運ぶ。
理事長もはぁ、と溜め息を吐いた。
「そりゃあ、私だって恋愛結婚をさせてやりたいさ。
だがな、金か、見た目か。
自慢できるぐらいの物が一つでもないと、その嫁さんは絶対に潰れてしまう。
成澤財閥はそれ程、重いんだよ…。」
机に肘をたて、手の甲に顎を乗せて悲しそうに呟く理事長。
翔はソファーに寝そべりながら、言った。
「…それ、探したら俺に得はあんのかよ。
アイツの結婚相手なんぞ俺は興味ねぇ。」
「あぁ、言い忘れてたか。
君達もある程度の金持ちなんだ、婚約者はいるだろう?
君達もその婚約を破棄してその子と結婚する事も出来る。
君達も今の婚約者には満足してないだろう?
君達五人の親と相談した結果さ。
とりあえず、今はその子を探すのが一番良いと思うぞ。
婚約の話も、それからだ。」