魅惑★ladyの作り方


華楠は海が見ているのに気付き、怯えつつも翔に向き直り頭を下げた。



『…結城華楠です。』

「華楠お姉ちゃんはね、スッゴく優しいしいっぱいお話聞いてくれるし、大好きなんだぁ!」


未来が照れ臭そうに笑うと華楠も嬉しそうに微笑んだ。
が、翔は興味なさげにふぅん、と頷いただけだった。



「ま、未来が良いんなら良いんじゃねぇの?
お前、海の事好きになんなよ。」


未来は傷付けんな…
小さく呟いた翔に、華楠は未来の言っていた言葉を思い出す。


〈…私、お兄ちゃんと仲良くないですから。〉

〈もう嫌っ!〉

〈どうせあなたもお兄ちゃんが好きだから―…〉

〈そのために私と仲良く…〉



『…有り得ませんよ。』

「あん?」

『未来ちゃんにも言いましたが、私は風間先輩を好きになったりしません。』


 
 


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