魅惑★ladyの作り方
言い切った華楠を怪しむように睨む翔。
華楠は雰囲気でそれを察したが、ギュッと手を握って口を開く。
『風間先輩は妹想いで、とても優しいと思っています。
ですが、私がここに来るのは未来ちゃんに会いたいからであって、風間先輩は関係ありません。』
未来はパァッと顔を輝かせ、海は嬉しいが、悲しい。
そんな風な複雑な表情で目を反らした。
翔はその海の表情に驚きつつ、じゃあ、と口を開いた。
「海や俺が、お前を好きだといったら?」
その言葉にバッと顔を上げたのは風間兄弟で。
海は顔を真っ赤にし、未来は傷付いたように眉を寄せていた。
が、華楠は眉間に皺を寄せ翔を睨む。
『…ご自分で有り得ないと思っている事は口にしない方が良いと思いますよ。
それで傷つく人もいる事をお忘れなく。』
「何を…」
翔はそこまで言ってハッと気付いた。
海は気まずそうに俯き、未来も悲しそうに下を向いている。
チッと舌を打ち、豪快に頭を掻きながら不機嫌そうに病室を出て行ってしまった。
「…ゴメンね、結城ちゃん。」
『え…?』