魅惑★ladyの作り方
暫くそうした後、翔は立ち上がってバイクに跨りハンドルを回す。
その吹かす音と威圧感の漂う雰囲気に、周りにいたカップル等は目を合わせないように足早に去っていく。
翔はフッと自嘲するかのように笑ってヘルメットを付け、烈しい音をたててその場を去った。
成澤学園、第五裏門…
ここは五つある裏門の中でも大きく、駐車場等がある事からして必然的にバイク通行の柄の悪い生徒達の入り口と化していた。
そんな第五裏門に近づく一般生徒も少ないのだが…
「早く来なさい!」
不良達の中では乱闘等常識なため、一般生徒には密かな虐めの好都合な場所となっていた。
「最近調子にのってるわよね。」
「私達、知っているのよ?」
翔は影から聞こえる高飛車なお嬢様口調に苛つきつつ、バイクを支えながら立っていた。
普段ならスルー出来るのだが、何せ虐めが行われているその場所は自分専用となった駐車場。
自分は愛車を放り出して行ける程人間が腐ってはいないと翔はその場で時間を潰す事に決めた。
この言葉を聞くまでは。
「最近、charm☆fiveの方々の事を弄んでるらしいじゃない!!!」