魅惑★ladyの作り方
熱くなる翔の言葉を遮り、悪臭を消していた馨がゆっくりと立ち上がって翔に近づいていく。
「俺が怒ってるのは、こいつ等だけじゃない…。
華楠がずっと虐められているのを知ってて止めもしなかった、お前も一緒だ!!!」
「ッ!」
「馨、落ち着いて…
連絡してくれただけマシだろ?」
いきり立った馨の肩に手を置き、翔を庇ったのは帽子で目を隠した海。
先程までの冷たい雰囲気はもう消えていた。
「翔にとっちゃ、ここで女が虐められてるのなんて日常茶飯事なんだから…
その中でわざわざ言ってくれたんだ、まだ良いな方だよ。」
「…ッ、…ごめん」
海の言葉に、馨は我に返ったのか、しゅんとうなだれて小さく謝った。
翔も落ち着いたのか、いや、と軽く首を振って答えた。
「…とりあえず解決?
この女達、帰すけど良い?」
帝が女達に近寄りながら言うと皆が首を縦に振った。
帝はそれを確認すると女達に微笑みかけ―…
「今日の事は誰にも内緒だよ?
仮に俺達の事をバラしたとしたら自分達の会社がどうなるか…考えて行動してね。」
最後に自分の唇に人差し指を当ててニコッと笑うと女達はその顔の近さに頬を染めつつも唖然としたままコクコクと頷いた。