魅惑★ladyの作り方
翔が去った後、帝はふぅ、と息を吐いた。
「結局翔は何しに学校に来たんだ?」
「知らないけど興がそれたんじゃない?
気紛れだから、さ」
海が曖昧に答えると帝もそれはそうだな、と納得した。
「にしても…
海の目は相変わらず綺麗だな。
自分からあんな使い方するとは思ってなかったけど。」
「あー…こういう時しか役に立たないから。」
はは、と笑って帽子を抑える海。
帝は昔を思い出して悲しげに眉間に皺を寄せる。
海の瞳が赤いのは生まれつきで、医者である父親に何度も検査されたが理由はわからず…
特に視力等に影響があるわけでもなかったので今もそのままにしていた。
その赤い瞳はルビーの様に美しく、血のように恐ろしい。
その捉え方は人それぞれだったが海はあまりこの瞳が好きではなかった。