魅惑★ladyの作り方


「たまたまだったけど、カラコン外してて良かったかもねー」


はは、と笑う海はいつもは念のために黒いカラーコンタクトを着けていた。


「カラコン着けてても女を魅了する分には充分だからな…
素で見たら秒殺だろ?」

「気持ち悪がられさえしなければ、だけどね」

「…それもそうか」


だんだんと話がズレていく二人を見て慧がはぁ、とため息を吐いた。



「あ、にしても馨はキレると相変わらずだねー。
鼻にクるだけで身体には何の害もない匂いをあんな…
あ、なんであの子達揃いも揃って鼻血出したの?」


海が話ながら馨に近づき、しゃがんで頭にぽふ、と手を置くと馨は鬱陶しそうにそれを払った。


「興奮状態、だったからね…
ただ、血が上って出た鼻血を、勝手に考えて、混乱してくれただけ…
あの匂いは前に…
どこかで嗅いだ、嫌いな匂いで…
覚えてたから、出るかなー…って思って。
…………出たね」


ニヤリ、といつもの雰囲気に似合わない黒い笑顔で笑った馨はどこか満足気だった。

 
 
< 123 / 212 >

この作品をシェア

pagetop