魅惑★ladyの作り方
眼鏡が取られ、顕になった華楠の瞳にはたくさんの涙が溜まっていて…
『由香、ぢゃん…っ!』
今にも零れ落ちそうだったそれが、口を開いたのと同時にボロボロと零れ落ちた。
四人も顔が見えていたわけではないがそれは声や後ろ姿ですぐにわかった。
「華楠…」
『由香ちゃん、由香ちゃぁん…!
痛いよぉ、怖かったよぉ…!
昔みたいで、怖くて、悲しくて…っ!』
「華楠…っ!
ゴメン、一人にして、ゴメン…!」
『ふ、えぇえ…っ
由香ちゃぁん…っ!』
抱き合って泣く二人に、四人は唖然とした。
あの女が来て、眼鏡を外した途端、人が変わったように本音を言って、泣き出した華楠。
今まで自分達が見てきた気丈な華楠の姿などどこにもなく…
口には出さなかったが、心の中は言い表わせないような感情でいっぱいになって、荒れていた。