魅惑★ladyの作り方
あ、そうなんですか…と頷く由香。
それもそうだ、帝が理事長の事で華楠を迎えに来る姿は何度か見ている。
他の方は…と目で訴えるとそれに気付いた馨が小さく呟いた。
「会ったのは、理事長室…」
「それ以外は内緒、かなー?」
海がカラッと笑うと由香はへぇ、と苦笑い。
が、心の中では華楠を問いただそうと決意していた。
「ね、由香ちゃん…だっけ?
君は知ってたの?
結城さんが虐められそうだった事…」
帝が少し疑るように言うと由香は気まずそうに視線を落とした。
「あの糞女共が華楠を気に入ってないのは気付いてました…
それで今日、ニコニコしながら帝様があちらで探してたわよ?なんて言いに来て…
案内してあげるから、って言って華楠を引っ張って行ったんです。
私も行きたかったけど華楠、学校の中では私に遠慮して一緒に行動してくれないから…」
結局、こんな結果になっちゃって…と瞳に涙を溜めた由香を責めるような者はこの中にはいなかった。