魅惑★ladyの作り方
「…君達、良いと思う女の子はいないのかい?」
理事長がため息混じりに聞くと四人は思考を巡らせる。
そして、一番に出てきたのは…
黒髪の…
良い香りの…
鈴の音の…
………カナン……
海、馨、慧、翔が思い浮べたのは駅で見掛けた、出会ったあの女。
結城 華楠…
「おや?
四人とも心当たりがあるみたいだね。」
理事長の意外だ、とでもいうような言葉で四人はハッと我に返る。
「やーだなぁ。
俺はちょっと可愛い子見かけたなーって思い出しただけ。」
「俺も…良い匂いの、女の子…」
「…鈴のような声の女がいた。」
「ハンカチ…」
翔の言葉に、四人はバッと翔の方を向く。
翔の手には血の染み付いた可愛らしいハンカチが。
「それ、あの傷の?」
「…ま、な。」