魅惑★ladyの作り方


私も一緒に登校してたんですけど反応できなくて…
と付け足し、ハハッと苦い笑みを浮かべて由香は続ける。



「その男の子が凄い自信があったみたいで、告白する事も周りに言い触らしてたから…
振られたとか言えなかったんでしょうね、学校では華楠がOKを出した事になってたんです。」


中学生の男の虚しいプライドだった。
それが、その女の子にも伝わってしまったのだと由香は言う。
四人は何も言えず、ただ黙って目で続きを促した。



「その女の子が男の子を好きだったのは他の女の子達もみんな知ってて、華楠が裏切ったって…
好きでもないのに見せしめのために付き合ったんだって、意味のわからない事を広めてたんです。
クラスには勿論、違う学年にも広がる程で…」


勿論否定はしましたけど、誰も聞く耳持たなくて。
由香は悔しそうに拳を握った。


 
 
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