魅惑★ladyの作り方


あの後、ただの医院長の思い過ごしとわかり病室には親子特有の和やかな雰囲気が流れる。
華楠はそれを見て席を外そうとしたが…



「気を遣って席を外したりはするなと、言ったはずだが?」

『う…』


すぐに隣に座っていた医院長にばれ、止められてしまった。


「結城ちゃん気ぃつかってんの?
気にしなくて良いのに…」

「そうだよ、華楠お姉ちゃんもいないとむさい!」

「むさっ…!」


未来が明るく言うと、医院長がカルチャーショックを受けたように固まった。



「口悪くなったよなぁ、変な漫画の読みすぎかー?」

「今ハマってるのはねぇ、主人公がヤンキーに絡まれてその中で友情を育む…」

「そんなもの読むな!
教育に悪い!」

「でた、過保護」

「ーっ、結城さんを見習え!」

「ここは病院ですよ!
医院長先生ともあろうお人まで…
お静かに!」


ギャーギャーと騒いでいると、勢い良く扉が開いて看護師長が三人を鬼の形相で一喝し、また扉を勢い良く閉めて去っていった。


 
 
< 150 / 212 >

この作品をシェア

pagetop