魅惑★ladyの作り方


『風間先輩、凄く上手いですね。
私お腹に力を入れちゃダメって言われてるんですが、全く痛みませんでした』

「え?
あぁ、たまに手伝うんだよ。
未来の事もあるから余計にねー」


ヘラッと笑う海に微笑み返し、鞄から財布を取り出して膝に置く。
慣れない手つきで進むと海が華楠の財布を取り、自分の財布を置いた。


「これくらいの金は出すって。
ついていこうか?」

『あ…有難うございます。
大丈夫です、少しの間だけですが兄妹水入らずを楽しんでてください』


何が良いですか?と華楠が聞くと未来は嬉しそうに笑う。


「私、ココアが良い!」

「…じゃ、俺はレモンティーで」

『はい、行ってきます』


華楠がぎこちなく出ていった後、未来がぽつりと呟いた。


「恐がらなかった…」


 
 
< 155 / 212 >

この作品をシェア

pagetop