魅惑★ladyの作り方


『あ、すみません…』


海の友達で、未来の想い人。
そして海から聞いた話だと、あの時近くにいて、海達に連絡してくれたという…
二人の話を聞いていた華楠の中で、翔はいい人、と位置付けされていた。


「…ほら、行くぞ」

『ひゃっ…!?』


翔はスタスタと二人に近寄り、研修医を強引に押して引き剥がすと華楠を優しく抱き上げた。


『あっ、あの…!』

「黙ってろ、舌噛むぞ」


リズム良く階段を降りる翔。
華楠はその感覚が怖かったのかギュッと翔に抱き付いた。
すると翔もぎこちなくだが華楠を包み込むように優しく抱き締める。

華楠が翔をそれ程恐がらなかったのは二人から聞いていて他人の気がしなかったのと、たった今自分を包んでくれている腕、体の安心感からだろう。


 
 
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