魅惑★ladyの作り方
「俺、あいつらの事考えてるつもりだったけど結局自分の事ばっかで…傷付けた。
お前の事も、疑ってかかって…」
『いえ、私は良いんです…』
華楠が言うと翔はちげぇ、と小さく呟いた。
「お前が居て、焦ったんだ」
『え…?』
「自分のいた場所、取られた気分だった」
ちゃんとした場所?あいつらだけだし、と付け加え、項垂れる翔。
華楠はその弱々しさに少したじろぐも、落ち込む。
無意識に人を傷付けていたことにショックを受けた。
『私…』
「あ、違う、ちげぇぞ」
華楠の落ち込みを肌で感じたのか、翔が慌てて手を横に振る。
「お前を責めてるんじゃねぇ、ちょ、落ち込むな!」
『でも、私のせいで』
「お、落ち着け、話はまだ終わってねぇだろ!?」
不器用に慰める様がどこか可笑しくて、華楠はぷっと吹き出した。
翔も自分のしていた事が滑稽に思えて、苦笑混じりに安堵のため息を吐いた。