魅惑★ladyの作り方
「…嫌な事思い出させて悪いけどさ、謝りたかったんだ」
『え…?』
俯いてしまった華楠を見て感じたのか、翔が言うと華楠はバッと顔を上げた。
どうしてこの人には、分かってしまうのだろうか。
「あの時、陰にいたんだ。
あそこ駐車場として使われてっから、バイク置きに。」
『…』
翔は華楠の返事が無いのを気に止めず、話したい事を話す。
「で、お前等がいて、興味もなかったから終わるの待ってた」
『でも電話してくれたんじゃ…?』
「…したけど、帝たちの反応を確かめたかっただけでお前を助けようなんざ思ってなかった。
あいつらが来るまでの長い時間も俺はボーッとしてただけだった。」
華楠の言葉に答える翔の顔はスッキリしていて、だがどこか悲しげで。
華楠は首を傾げた。