魅惑★ladyの作り方


華楠が謝ると未来は良いよ、と笑顔を見せたが海は眉間に皺を寄せてしまった。


「…何があったの?
車椅子から降りて屋上に上がるなんて自分じゃ無理…でしょ」

「海、来い」


疑うような目を向けられ、何も言えず固まる華楠にかわって翔が海を連れ出した。


「…あれは嫉妬(やきもち)だね」

『へ?』


二人が出ていった扉を見たまま、むふふと不気味な笑い方をする未来を不思議に思っていると未来はバッと振り返った。


「私は妬いてないからね!
翔くんに抱っこされてたのは正直羨ましいけど、華楠お姉ちゃんが無事だったし、華楠お姉ちゃんだから、良いの!」

『…有難う、未来ちゃん』


意味はよくわかっていながったが心配をかけた事はわかり、嬉しくなって笑うと未来も照れ臭そうに笑った。
 
 
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