魅惑★ladyの作り方


一方、出ていった二人は病室から少し離れた場所で壁にもたれかかっていた。



「ほら、財布」

「あー…翔が持ってたんだ。
って事はその水も俺の金だろー」

「あぁ、まぁそれはいつもの事だろ。
…あいつの事だけど、なんだ、屋上で医者に絡まれてた」

「医者に?」


翔から財布を受け取り、話を聞いた海は首を傾げた。
何故、屋上で、医者に?


「よくは知らねぇけど、病院の中うろついてたら車椅子が立ち入り禁止の階段の前にあってな。
俺よく入ってたから…まぁ聞け、睨むな」


立ち入り禁止の所によく入るってどういう事だ、と言わんばかりに睨んでくる海を宥め、翔は話を続ける。


「だからまぁ、そんな事滅多にないんだよ。
だから怪しく思って見てみたらあいつの名前入りで。
入院してるとか知らねぇし勘違いかとも思ったんだが…
行ってみたら、壁際に追い詰められた」

「!」


 
 
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