魅惑★ladyの作り方
…あれ?見間違えた?
恐る恐るドアを開けると、やはりそこに彼はいた。
「…おはよう、結城さん。
閉めるなんて酷く」
バンッ!
と、彼が言いおわる前にドアを閉めた。
…つもりだった。
「…酷いなぁ、手が痛いじゃないか」
『ひっ!?』
がっしりと、ドアに手が掛けられていて華楠が力一杯引いているにも関わらず、それはじわじわと開かれていく。
「あは、どうしてそんなに怯えるのかな。
ほら、ドアもう開いちゃうけど…
俺が開ける前に、自分で開けた方が身の為だと思うぞ…?」
『っ!
あっ、開けます!
…だから、退いて下さい』
「そう、話が分かる子ね」
無言の圧力。
だが初めて会った当時よりは彼の雰囲気は柔らかく、華楠も慣れたものでドアを開けると相手と向き合い、軽く頭を下げた。
『…おはようございます、成澤先輩』