魅惑★ladyの作り方
「か、なん…っ」
『へ、馨さ…!』
華楠が気付いた時、他の四人も気が付いた。
馨から発される甘い、蜜のような香りとそれに僅かに交じる雄の匂い…
それは確実に雌を誘い出す、誘惑の香りで、華楠もその匂いにあてられいつも以上に敏感になっていたのだ。
「これは、ダメだな…
翔、手伝え!」
「お、おう…っ」
帝が馨の体を引っ張り、翔がその顔を押さえ付けて腕を剥がす。
「はっ、華楠…っ!」
「馨、とりあえず落ち着け!」
「手ぇ離せ馨っ」
ぎゅーっと、離れない馨の肩に、頬を赤く染めた華楠が優しく手を添えた。
「ちょ、結城ちゃん…?」
『馨さん…っ』
海がひく、と口を引き攣らせたが華楠は構わずそのまま顔を近付けていく。
そのままキス…かと思いきや顔をそれて肩に顔をうめ…
「かな…っあ、あ゛っ!?」
「馨!?」
肩に唇を触れさせ、そのまま……噛んだ。
『っは、むぅ…』
「ちょ、馬鹿、やめろお前!」
『うあっ、痛いです…』
「痛いのは馨だ!」
「華楠に乱暴するなよ!」
華楠の顎を掴んで無理矢理離させた翔の頭を帝が叩く。
慧が無言で華楠を抱きしめて動きを封じる。
「か、馨、大丈夫?!」
「ん…トイレっ…!」
「…あぁ、了解」
海が総てを悟ったのか、そのまま馨をトイレまで付き添っていった。