魅惑★ladyの作り方
華楠も落ち着いた頃、海達も戻って来てから帝が言い辛そうに腕を摩りながら口を開いた。
「あー、と。
そうだ、結城さん」
『はい?』
「これからその、変なちょっかいをかけるのは止そうと思って。
理事長からの話しなら理事長から携帯にでも連絡が来るだろうしね」
『あ…』
ニコッと笑う帝に、華楠は何か言いたげに口を開いたが、結局何も言えなくなる。
「俺もね、一緒に病院行くのは止めようと思うんだ。
未来が待ってるから来てはほしいんだけど、さ。
若干無理矢理なとこもあったし、あんまり頻繁に行く必要もないよなぁって」
「…お弁当、一緒に食べない方が良い、かも。」
二人に続いて、慧も筆記で
今まで通り一人で作る
と綴って華楠に見せる。
翔はたまに理事長室と未来の病室で会うくらいなので特にコメントはせず。
華楠は口元に笑みを作り、五人に頭を下げた。
『そうです、ね。
今まで、構っていただいて有難うございました、楽しかったです』
「結城さ…」
『凄く長居してしまいましたね、今日はこれで失礼します』
ソファーから立ち上がり、真っすぐ扉に向かう華楠。
振り向いてもう一度頭を下げ、部屋から出ていった。