魅惑★ladyの作り方


「あれだね、眼鏡さえなかったら三つ編み地味子も華楠の顔ならアリになるよね。」

『あり?
私は何でもアリです。』

「うーん…。
いつまでも眼鏡に頼るのもよくないと思うけど。」

『…』


由香の言葉に華楠は俯く。
由香はその様子を見て華楠の頭を撫でた。



「怖がり、緊張しい、泣き虫。
ここまでくれば一種の個性だと思うけどねぇ?
目だって悪くないのにこんな分厚い眼鏡で人をぼやけさせるなんて…。」

『だって…』


シュン、と肩を落とす華楠。

華楠は二重人格でも何でもなく、
極度の怖がり
極度の泣き虫
極度の緊張しいなのだ。

そして、それを軽くするために目も悪くないのに恐ろしく分厚い眼鏡を掛け、視界をぼやけさせている。
三つ編みでスカートが長いのは、華楠がお洒落に興味がない事と学生はそうあるべきだと思っているから、で、ある。


 
 
< 20 / 212 >

この作品をシェア

pagetop