魅惑★ladyの作り方


すぐに返ってきた五種類の返事に華楠は少しポカンとしてから、ぱぁっと笑顔になった。
その場に膝をつき、正座して少し頭を下げる。


『ふつつか者ですが、えと、よろしくお願いします…ね』


頭を上げ、えへ、と首を傾げながら浮かべた柔らかい笑みに魅了される五人。
その中で飛び出したのが…


「華楠ーっ!」

『ひぇっ、はるちゃん…!』


悠希が華楠を押し倒し、胸に顔をうめるような形で抱き付いた。


「可愛いなぁお前ー…!
柔らかいし、良い匂いだし、俺はやっぱりこの腰が良いとおも…っいた!」

「悠希!!
お前はどこまで馬鹿なんだ!
これからゆっくり慣れていかないとというときに…!」


華楠はプルプルと奮え、涙目で必死に泣くのを堪えている。
グッと唇を食いしばり、意を込めて悠希の肩を押し返した。


『は、は、はるちゃん…!
恥ずかしいから、えっと、離れてほしい…!』

「か、華楠…!」


悠希は悲痛な声だったが、他の四人はおぉと小さな歓声を上げた。


「偉いじゃないか、華楠!
今までだったらやられっぱなしだったんだろう?」

「もしかしたら、荒治療も華楠には合っているのかもしれませんね…」

「何も拒否するだけが慣れでもないだろ?
ほら華楠、おいで。
ジョークでかわせる位にならないとな」


ふむ、と考える伊織の隣で琉依が両手を広げて華楠を呼んだ。
悠希から逃れた華楠が恐る恐る近付くと、ふんわりと抱き上げられてそのまま横にして膝の上に乗せられた。


『!?』
 
 
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