魅惑★ladyの作り方



「良いか華楠。
今のお前は男からみたら小動物みたいなもんだ」

『しょ、小動物…?』


首を傾げる華楠の頬を優しく撫で頷く。


「あぁ。
涙目で震えて警戒してるけど、怯えて窺うようにこっちを見る…
可愛いって愛でるやつもいれば、いじめたいって思うやつもいる」

『い、いじめたい…?』

「もっと泣かせてやりたい、って意味だ」

『泣…っ!』


怯えた顔をした華楠が可愛かったのか、一度ぎゅーっと強く抱きしめる琉依。
華楠はよくわからないまま琉依の腕をギュッと掴み返す。


「…よし、で、だな。
そういうやつには華楠みたいにか弱い女が抵抗するよりも、主導権がこちらのものだとわからせれば良い」

『えぇっ、ムリだよぉ…!
男の人より強くなんて、見せるのも難しいし…!』

「わかってるよ、誰も強くなんて言ってないだろ?」


華楠が困惑の表情を浮かべていると、ふふん、と笑って華楠の頬にキスをした。



「琉依…!」

「何かとベタベタしてません?」

「すき放題ぃ…」

「琉依の野郎、ズルイ!」

「五月蝿い、こんなに可愛い華楠が目の前にいるのに我慢出来るわけないだろ」


 
 
< 203 / 212 >

この作品をシェア

pagetop