魅惑★ladyの作り方
『いやでででもっ、そんなやらしいものじゃなくって!
ただその、このままだったらすぐにちゅう出来そうだなって、いやそんなしたいとかでは勿論ないんだけどっ、あああやだ笑わないでえっ…!』
顔を真っ赤にしてわたわたと慌てる華楠。
キョトンとした後、クスクスと伊織が笑うと華楠はより赤くなった。
「華楠、俺はしてくれても良いんだぞ?」
『っ…!
して、あげてもいい…けど?』
「っ!」
少し口を尖らせて言った華楠に琉依は目を見開いた。
そして華楠の胸に頭を寄せ、小さく呟く。
「だ、だめだ、これじゃ逆に煽られる…!」
『る、るいちゃん?
やっぱり間違えちゃった…?』
不安げに首を傾げる華楠。
琉依は口元を手で覆い目を泳がせる。
「間違えてはないけど…
中途半端に教えるのはよくない、伊織、チェンジ…」
「仕方ないですね…
初めから琉依のやり方を教えようという事自体が間違いなんですよ」
華楠の脇に手をやり抱き上げ、膝の上から下ろす。
目線を下げたまま手を挙げると伊織がため息をついて立ち上がり、華楠の前に腰を下ろした。
正座だ。
「詳しいことはわかりませんが、親しい人は大丈夫ということは人間嫌いというわけではないんです。
そんなに難しく考えなくてもなるようになりますよ、久しぶりに会った私達でもここまで近付けるんですから」
『いーちゃん…』
華楠の手をとって、安心させるように微笑む伊織につられて華楠も笑みを零す。
とりあえずの教育係が伊織に決まった瞬間だった。